後輩(初登山)後輩
先輩、富士山って夏でも寒いから日焼けってそんなに気にしなくてよくないですか? 涼しいのに焼けるイメージがなくて……。
先輩(登山経験者)先輩
それ、すごくよくある誤解なんだよ。「暑くない=紫外線が弱い」じゃないんだ。気温と紫外線量はほぼ関係なくて、むしろ標高が上がるほど紫外線は強くなる。富士山の5合目(約2300m)で平地の約1.3倍、8合目(約3400m)になると約1.5〜1.6倍になるって言われてる。理由は大気が薄くなってフィルター役が減るから。雲もなければ直射日光をほぼ素通しで受けることになる。
後輩(初登山)後輩
えっ、そんなに差があるんですか! じゃあ日焼け止めはしっかり塗らないとダメですね。SPFはどのくらいを選べばいいですか?
先輩(登山経験者)先輩
山ではSPF50+・PA++++のものを使いたい。登山用として売ってるものは汗や水に強いウォータープルーフタイプが多いから、そっちを選ぶと安心。で、もっと大事なのが塗り直し。登山口で一度塗って終わりにしてる人が多いんだけど、それじゃ全然足りない。汗をかけば落ちるし、紫外線吸収剤は時間とともに効果が落ちる。2〜3時間おき、休憩のたびに塗り直す習慣をつけて。量もケチらずに。顔だけじゃなく、首の後ろや耳の裏、手の甲も忘れがちな場所。
後輩(初登山)後輩
耳の裏まで! 盲点でした。あと、サングラスって本当に必要ですか? 普通の帽子じゃダメなんですか?
先輩(登山経験者)先輩
これも絶対に必要。帽子のつばで直射日光は防げても、**雪渓や白い岩からの照り返し(乱反射)**はつばじゃ防げないから。7〜8合目あたりには残雪があることも多くて、雪面の紫外線反射率は最大で80〜90%にもなる。素目で長時間さらされると雪目(紫外線性角膜炎)になるリスクがある。これ、日焼けと違って痛みが出るのが数時間後で、夜になって目が開けられないくらい痛くなることもある。サングラスはUV400カットのものを選んで。カラーは薄いグレーかブラウンが視界を歪めにくくていい。
後輩(初登山)後輩
雪目、怖いですね……。帽子についても教えてください。バラクラバって登山用品店で見たことあるけど、どういうときに使うんですか?
先輩(登山経験者)先輩
帽子とバラクラバは役割が違う。**帽子(キャップ・ハット)**は日差しを遮って熱中症・日焼けを防ぐのが主役。5〜7合目の昼間みたいに、ある程度気温がある場面では帽子で十分。バラクラバは顔全体を覆うフェイスマスクで、頰・あご・耳まで布でガードできる。8合目以上や強風の稜線、夜間〜早朝の移動みたいに風が冷たくて日差しも強い場面で本当に威力を発揮する。日焼け対策と防風・保温が同時にできるから、山頂アタック中はバラクラバをつけてその上からキャップをかぶるのが定番の組み合わせだよ。
後輩(初登山)後輩
なるほど、重ね使いすればいいんですね! あと、唇のケアも必要ですか? 唇って皮膚じゃないから日焼け止めが塗れないイメージで……。
先輩(登山経験者)先輩
唇は皮膚より薄くてメラニンが少ない分、紫外線ダメージを受けやすい部位のひとつ。ひどく焼けると皮がめくれたり、ヒリヒリが数日続いたりする。対策はUVカット付きのリップクリームを使うだけ。SPF30以上あれば十分。登山中はどうせ乾燥もするから、日焼け対策と保湿を兼ねて塗り直すのをルーティンにするといい。あとは耳のヘリ(軟骨部分)も皮脂が少なくて焼けやすいポイント。サングラスのつるが当たる場所でもあって意外と盲点なんだよ。帽子の縁から少し出たところに日焼け止めをちゃんと伸ばしておくのを忘れずに。
まとめ
高度と紫外線の関係
- 標高が1000m上がるごとに紫外線量は約10〜12%増加する
- 富士山8合目(約3400m)では平地の約1.5〜1.6倍の紫外線が降り注ぐ
- 気温が低くても紫外線は強い。「涼しい=安全」ではない
日焼け止めの選び方と使い方
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| SPF / PA | SPF50+・PA++++ |
| タイプ | ウォータープルーフ |
| 塗り直しの頻度 | 2〜3時間おき(汗をかいたらすぐ) |
| 塗り忘れやすい箇所 | 首の後ろ・耳の裏・手の甲 |
サングラス
- UV400カットのものを選ぶ(UVカット表示のないファッション用は不可)
- 雪渓・白い岩からの乱反射にも注意。長時間素目でいると雪目(紫外線性角膜炎)のリスクあり
- レンズカラーはグレーかブラウンが視界を歪めにくい
帽子とバラクラバの使い分け
- 帽子(キャップ・ハット):5〜7合目など比較的気温がある場面での日差し遮断に
- バラクラバ:8合目以上・稜線・夜間〜早朝など風が冷たく日差しも強い場面に
- 山頂アタック時は「バラクラバ+キャップ」の重ね着が定番
唇と耳のケア
- リップクリームはSPF30以上のUVカット付きを選ぶ
- 保湿と日焼け対策を兼ねて、休憩のたびに塗り直す
- 耳のヘリ(軟骨部分)は皮脂が少なく焼けやすい。帽子の縁から出た部分にも日焼け止めを忘れずに
本記事の情報は一般的な登山知識に基づくものです。紫外線量は天候・雪の状況・個人の肌質によって大きく異なります。肌トラブルや眼の異常が生じた場合は、速やかに下山し医療機関を受診してください。また記事内で言及した製品の価格・性能・入手可能性は変動する場合があります。登山前には最新の山岳情報・気象情報を必ず確認し、自己責任のもとで安全な行動をとってください。
